レシピをきちんと確認して、準備も入念にして。
さて美味しい梅干しを作るぞー!
作業も順調…のはずなんだけどこれってもしかして、失敗!?
こんな時はどうしたら良いの!?
失敗させない為のポイントと失敗してしまった時の対処法をご紹介します。
梅干し作り、失敗の原因
今流行の減塩タイプではなく昔ながらの塩分濃度15~20%で梅干しを漬ければその強烈な酸と塩分とに守られて本来ならばカビは生えないはずです。
梅干し作りの失敗は
・塩分が少なすぎる
・梅が空気に触れている
・洗った水気が残っている
が原因と言えます。
これらが原因でカビが発生してしまって失敗作になってしまうという訳です。そして塩分濃度が低いことで梅が醗酵し腐敗の原因となります。
梅の処理、梅の熟し方が足りない
カリカリ梅を作るのなら別ですが、やわらかい梅干しを作る場合に使う梅は灰汁抜きする必要はありません。
梅干し作りのまず最初の処理は梅をきれいにすることですが、この時梅は水には漬けずさっと洗います。
水に漬けると変色の原因になる可能性が高まります。そして水分が多いとカビの原因となります。
ヘタの掃除をし状態の悪い梅を除いたら洗ってペーパータオルできれいに拭き取りましょう。
梅の選別もテキトウにしてしまうと傷んだ梅がカビ発生の原因となりそれが広がって全ての梅をダメにしてしまいかねません。はじめにしっかりと見極めて梅を選んで後々の面倒事を回避しましょう。
また熟していない梅を使うと仕上がりが硬い梅干しになります。
まだ熟していない時はザルに乗せ新聞紙を被せて涼しい場所に置いて黄色く追熟させてから漬けましょう。
▽梅は緑色の青梅から完熟梅へと熟していきます
硬いまま漬けてしまった梅は柔かくはなりません。
漬けてしまったけれどなんとかして少しでも柔らかくしたいという場合は、日中に7~8時間天日干しすれば幾分かは皮が柔らかくなります。
完熟梅の柔らかさには及ばないですが、天日干ししないよりは良くなります。
逆に、梅を買ったけれどすぐに漬けられない場合は冷蔵庫で1週間くらいなら保存できます。
蒸れないように袋の口を開けて置いておくと良いでしょう。
保存容器をきれいに消毒していない
梅干しの保存容器に雑菌が付着しているとそこから腐敗して失敗の原因になってしまいます。
長くおいしく梅干しを楽しむためにも保存容器は清潔にしてから使いましょう。
保存容器を消毒する方法は、熱湯消毒とアルコール消毒があります。
作っている梅干しが減塩タイプでないなら、基本的にアルコール消毒はしなくても問題ありません。
保存容器は熱湯で洗ってきれいなペーパータオルで拭くか自然乾燥をして、梅はさっと水で洗ってきれいなペーパータオルで拭きましょう。
でもやっぱり心配・・・という時はアルコール消毒をしましょう。
アルコールにさっとくぐらせ水分が残らないようにペーパータオルできれいに拭きます。
アルコール度数が低いとお酒に含まれる糖分などで逆に雑菌やカビを繁殖させてしまう可能性があるので、アルコールは35%以上のものを使用しましょう。
高アルコールのお酒というと焼酎が浮かびやすいかなと思います。実際に梅酒用の焼酎なんてものも売られていますが、でもなにも焼酎でないといけないわけではありません。アルコール度数35%以上のお酒ならどれでも使えるのでウォッカやジンなどのスピリッツでもOKです◎
お酒を飲まない家庭だと沢山買っても処理に困ると思いますが小さいカップ酒でも問題ないのでアルコール度数に注意して選んでもらえればと思います。
食品用のアルコールスプレーなどがある場合は勿論それを使ってもOKです^^
梅干し(梅漬け)に白いものが。カビ!?対処方法は!?
梅からうっすらと白いものが出ている…
梅酢に白いものが浮いている…
それはカビが発生してしまったということです。
カビが生えてしまった時の対処法は、まずは白い膜を完全にきれいに取り除きます。
梅の実にもカビが付いている場合は実をそっと取り出して焼酎などの高アルコール液で洗います。そして天気の良い日に半日~1日天日干しします。
梅酢は、まず2枚重ねにしたガーゼで濾します。
そして鍋で沸騰させて、完全に冷まします。
冷めたら容器に戻し、再び梅を漬けます。
カビが発生しても、まだ梅酢が濁っておらずカビも少なければ挽回出来ますから気付いた時点で素早く処置をしましょう。
もし梅酢が濁っていた場合は梅酢や赤紫蘇は残念ですが処分しましょう。
取り出した梅は洗っで、少し塩をふって漬け直しましょう。
市販の梅酢を使って再度漬け込めば大丈夫です。
容器は全て消毒をします。熱湯消毒でもアルコール消毒でもどちらでも良いです。
きれいなペーパータオルで拭くか風通しの良いところで自然乾燥させましょう。
カビが再発しないよう、素早く、入念に。
梅酢が茶色になってるんだけど…
梅漬けにして数日経つと梅の皮が茶色くなってきたり梅酢が茶色っぽくなります。
それは失敗ではなくて正常な状態なので安心してください。
梅は塩分と合わさって梅酢を出すので漬けた時の黄色からだんだん色が変わっていきます。
また梅酢は、濁っているのではなく透明感のある琥珀色のような茶色なら、それは梅のエキスが染み出た正しい梅酢の色なので問題ありません。
引き続き様子を見ながら梅漬けをしましょう◎
梅が梅酢に浸かっていないとカビの原因になります。
梅酢がまだ不十分な段階では1日に数回容器を揺すって梅に梅酢をかけて塩を全体に馴染ませてあげましょう。
ビンの底が白くなってるんだけどカビ!?
と思うかもしれませんが、それは塩です。塩は細かく重いのでどうしても沈んでしまうものです。漬ける前に梅にしっかりと塩をまぶし付けて、梅酢の上がりを良くし、カビの予防をして、そして毎日容器を揺すってあげましょう。
そして梅が梅酢にきちんと沈むように、そして梅を柔らかくし味の馴染みを良くする為に、重石は必ずしましょう。
もしも塩分が足りず梅酢が充分に上がってこない時は市販の梅酢を足すのもひとつの方法です。
冷蔵庫で冷やして漬けると梅酢が上がりにくくなって失敗する可能性が高いので、冷蔵庫ではなく冷暗所で保管しましょう。
梅酢に水が入ってしまった!
誤って梅酢に水が入ってしまった場合、基本的には問題はありません。
そのまま梅がきちんと梅酢に浸かるように管理して干しましょう。
念の為、梅を干す時に梅酢も一緒に天日干しすると良いですね。
土用干しで雨に濡れてしまった!
思わぬ天気の急変で梅が雨に濡れてしまった時は梅にアルコールを付けて再び梅酢の中に戻します。
そして2、3日後に再び干しましょう。
減塩は梅干しが失敗する大きな原因!
梅干しとは本来保存食です。
それを15%以下の低い塩分で作ってしまうと保存性が弱まり冷蔵庫じゃないと保管出来なくなります。昔ながらの20%前後の梅干しは何十年でも室温で保存出来るものです。
熟した梅を濃い塩分で漬けることによって浸透圧の働きで梅の内部から余分な水分が出て(これが梅酢です)、果肉の細胞が潰れて柔らかい梅漬けになり、そこに重石をすることで内部に味を染み込ませ馴染ませるのが梅干しの作り方です。
そうやって漬けた梅干しは種までちゃんと味が染みて美味しく仕上がります。
何十年と梅仕事をしていて色々コツなど解っていれば減塩してみたり蜂蜜漬けなどアレンジをしてみて何か不具合が起こっても臨機応変に対応できますが、はじめの内は基本に則って。
まずは基本的な、本来の梅干しづくりからはじめるのがおすすめです^^♪
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