糠漬け作りに使う容器には手軽なタッパーなどのプラスチック容器から本格的な木桶まで様々なものがあります。
しかし糠漬け作りに一番適している容器って、どれなのでしょうか?
糠床に適している容器
プラスチック
一番手軽なのは、100均でも売っているプラスチックのタッパーです。タッパーの糠漬けセットも売っています。
また漬物用の丸くて底のあるプラスチック容器でも良いです。実際に漬物屋さんでプラスチックの漬け樽を使っているお店もありますからね。
しかしタッパーではなくプラスチックの桶を使う場合、あまり安いものだと耐久性が弱いので劣化が早いです。選ぶならそれなりにしっかりした専用のものを選ぶと良いでしょう。
サイズも色々あり軽くて便利なプラスチック容器ですが、しかし塩分でプラスチックの成分が溶け出すのが気になる人もいます。
そんな人にはホーローがおすすめです。
琺瑯
琺瑯は表面にガラスがコーティングされているものなので環境ホルモンの心配がなく安全に保存できます。またガラスなのでニオイが付きにくいのも良い点です。
こちらは琺瑯で有名な野田琺瑯の、糠漬け専用の琺瑯容器、その名も「ぬか漬け美人」です。
「ぬか漬け美人」には専用の水取器が付いているので、毎日ぬか床をかき混ぜなくても水が溜まらず手間を省ける優れものです。毎日ケアするのが難しいなと感じている人でもこれなら糠漬け作りを始めやすいですね。
琺瑯はガラスコーティングがされていますが、素材は金属です。金属は錆びますので、つなぎ目のあるタイプの琺瑯だったらそこから錆びてきてしまうので、つなぎ目のないタイプのものを選びましょう。またガラスコーティングに傷を付けてしまうとそこからも錆びてきてしまうので傷が付かないように取り扱う必要があります。
タッパーや琺瑯なら小さいサイズのものもたくさん売っているので、少量だけ漬けたい人や冷蔵庫で保管したい人には幅を取らないサイズが選べるので便利です。
漬けたいものがしっかり漬かる深さ、大きさがあれば問題ありません。
甕(かめ)
梅干しのように陶器の甕で糠漬けを作っている人もいます。陶器は土で出来ていて呼吸をするので湿度や気温の調整がしやすく外気温に影響されにくいです。
しかし甕のフタには密封性がないですよね。密封性がないと虫の心配があります。
そんな時には山椒の実や青梅を入れると虫除けになります。また糠床の味も良くなります。これらは入れたままで問題ありません。出回る時期が来たらぜひ加えて欲しい材料のひとつです。
しかし甕は陶器なので重いです。誤って落としてしまったら割れてしまう心配もあります。また冷蔵庫に入れたい人には甕だと場所を取ってしまうのでおすすめしません。
【関連記事→ 糠床の水抜き方法。】
木樽
昔ながらの漬物屋さんや家庭で代々受け継がれてきた糠床は木の樽であることが多いです。昔はプラスチックや琺瑯よりも木の保存容器が身近でしたからね。
しかし木には自然の殺菌作用がありますから、雑菌対策には良いですが乳酸菌にとってはちょっと働きにくい環境になります。
また木樽は大きいものが多いので冷蔵庫での保管には向きませんしある程度の保管場所が必要になります。
木は呼吸をしますし、甕も、陶器は土で出来ているので細かな穴があり呼吸をしますから、微量ながらも酸素を取り込んでいます。
糠漬けの乳酸菌は酸素をあまり好みませんが、水分調節の点ではプラスチックや琺瑯よりも甕や木樽の方が優れているので糠床が安定しやすい場合も多いです。
甕や木樽はタッパー等よりはサイズが大きいので、保管出来る場所があれば選んでも良いでしょう。また大きい分ぬかの量も多く菌も多いので、小さいものよりもより丹念に糠床をかき混ぜる必要があります。
昔と違ってひんやりとした土間のある台所が減っている現代では糠床を冷蔵庫で保存している人も多いです。でも実は、冷蔵庫の中は思っている以上に乾燥しています。葉物の野菜をそのまま入れたら1日も経てばしなしなに乾いてしまいますよね。
冷蔵庫で糠付けを作る場合はぬか床の乾燥を防ぐ為にも密封性があるフタの容器を選んだ方が良いです。また糠漬けのニオイが部屋の中や冷蔵庫内に漏れにくくなるのもフタに密閉性がある容器ですね。
とは言えフタを開ければニオイは広がりますから、ニオイに関してはそこまで気にする必要はないでしょう。自分は好きだけど家族に糠漬けが苦手な人がいる等においを出来るだけ出したくないなら、タッパーや琺瑯で密閉性のあるフタのものにした方が良いですね。
糠漬けに避けた方が良い容器は?
アルミなど金属の容器は糠漬けには向いていません。
時々アルミ鍋など金属の容器で漬けている人がいますが、金属は塩分と酸化により錆びます。錆びの入った糠漬けは身体に良くないですよね。
使っていない鍋があるから…と思っても金属鍋を糠漬けに使うのはやめましょう。
糠漬けに適した容器 まとめ
少量を漬けやすいのはタッパーや琺瑯です。冷蔵庫にも保管がしやすいです。
乳酸菌は酸素を好みません。酸素を通さない方が乳酸菌の働きが活発になるので、甕や木樽よりもプラスチックや琺瑯の方が漬かるのが早くなります。
容器それぞれに長短はありますが、基本的にはどんな容器で漬けられます。大事なのは漬ける食材が糠の中にしっかりと納まる大きさ、深さがあること。そして蓋はきっちり閉まった方が管理はしやすいです。
どれが一番!ということはなく、住環境やライフスタイルに合わせた容器にすると失敗が少なくなります。
基本的に糠漬けの容器は洗いません。カビなどで移し替えたりする時以外では、かき混ぜた時に容器の内側に付いた糠はきれいな布巾などで拭き取る程度で洗うことはしません。
長く使い続けることも考えて選ぶと良いですね。
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