野菜は水分を含んでいますから、糠漬けをしていれば糠床に水分が染み出てきます。
多少の水分なら野菜の旨味としてそのまま糠床に混ぜ込んでしまっても問題はありませんが、水分が過剰になるとカビが発生したり腐敗してしまいます。
折角の糠床を腐らせない為に、今回は糠床の余分な水分の処理の仕方についてご紹介します。
水分を吸い取って捨てる方法
野菜にはたくさんの水分があるので、ぬか漬けに限らず塩分や糖分があれば野菜から水が出てきます。何度も野菜を漬けていると野菜から出た水気でぬか床が水っぽくなります。そのままだと腐敗しやすくなってしまうので1週間に1回程度水分を取り除きましょう。
この処理の方法はには2種類あります。
1つは水を捨てること。
もう1つは糠を足すこと、です。
小さめのタッパーで漬けているなら、タッパーを持って糠床ごと傾ければ水を捨てられます。しかし下手をすると糠床ごと落ちてしまうので無理は禁物です。それが出来ない場合は水分を吸い取って捨てます。
布巾やスポンジなどで水分を吸い取りますが、水分を吸い取りやすくする為に道具を使って水溜りを作ってあげます。
道具と言っても身近な物で活用出来ます。
茶漉しだったり、プラスチックやステンレス等のザルを押し付けて糠床をへこませるとそこに水が溜まります。溜まった水をキッチンペーパーや布巾で吸い取りましょう。
ペットボトルの底を切って適当に穴を開けたものだったりコーヒードリッパーを代用することも可能です。
また専用のグッズも発売されています。
専用のものを買わなくても色々代用の効く物があるので自分のこだわり具合で選べば良いですね。
また、同じく吸い取る方法だけれど溜めずに吸い取るやり方もあります。それは糠床の表面にキッチンペーパーや布巾を敷いて置く方法です。
糠床をかき混ぜ野菜を漬け込んだら、糠床の上に固く絞った布巾をピッタリと敷いておくと水分を吸ってくれます。次に糠床を触る時にその布巾をきれいに洗い、また固く絞って敷き直して繰り返し使えます。
何枚か用意しておいて交互に使っても良いですね。
布巾の雑菌が心配ならキッチンペーパーにすれば常に清潔です。使い捨てにはなってしまいますが都度新しいものを使用するので気になる人にはキッチンペーパーがおすすめです。
また煮沸消毒したスポンジを糠床の中に混ぜ込んでおくという方法もあります。
この方法だと表面にまだ出てきていない糠床内の余分な水分も吸い取ることが出来ます。
しかし消毒したとは言えスポンジを中に混ぜ込むのはちょっと…と抵抗のある人もいるでしょうから、気にならなければぜひやってみてください。
水分の中には糠床内の塩分も含まれているので水分を取る度に塩分もいくらか抜いてしまうことになります。そうすると糠床内の塩分濃度が下がって雑菌が繁殖しやすくなったり糠漬けが薄味になるのではと心配になるかもしれませんが、野菜を漬け込む時に野菜に塩もみをしますね。
故に凄く塩分不足になることはありませんから安心して水分を吸い取ってください。
足し糠をして水分を混ぜ込む方法
乾燥したぬかを足して全体の水分量を丁度良くする方法もあります。
足し糠をする際は、一度にあまり大量に糠を足すと発酵が遅くなってしまうので一掴みで充分です。足りないようなら都度、少しずつ足して様子をみましょう。
水分には野菜の旨味成分が凝縮されているので吸って捨てるよりも足し糠で水分や酸味を調節した方が糠床がおいしくなるメリットがあります。
あらかじめ足し糠用の糠を作っておくと便利です。足し糠を冷蔵庫で保管しておいて、水分が出た時、糠漬けを取り出してかき混ぜる時、糠床が緩くなったり酸っぱくなった時にそこから糠を足して調整しましょう。そうすることで比較的簡単に糠床をいつも一定の状態に保つことが出来るようになります。
野菜を漬け込む時に塩もみをするので、足し糠の塩分は通常の糠床よりも薄めにしておくと良いですね。
足すばっかりだと糠床の嵩が増えて大変なことになるんじゃ?!と思うかもしれませんが、糠漬けを取り出す時に糠も幾分か取り出しますから必ずしも糠ばかり増えるという訳でもありません。
もしも足し糠の方が多くなってだんだん糠床の嵩が増えてしまうようなら、数度に1回は吸い取り方式にして調整するなど工夫しましょう。
【関連記事→ 糠漬け、糠床作りのポイント。使うのは炒りぬか?生糠?捨て漬けって何?】
糠漬けを再開しようとしたら水が出ていた場合の対処法
旅行や冬の間など暫く糠床を寝かせていて、糠漬けを再開しようとしたら水が溜まってしまっていた、なんてことも起こり得ます。
この場合、まずは水を捨てます。捨て方は上記を参考にしてください。
長い時間水分に触れていた為に糠が変色してしまっている可能性が高いです。変色した糠は捨てましょう。
捨てたらその分、足し糠をして全体をしっかりと混ぜます。必要なら捨て漬けをしたり塩を足すなどして糠床の具合を調整してください。
普段から糠の味見をするのもおすすめです。そうすれば糠漬けを食べなくても糠床の変化をすぐに感じ取ることが出来るようになるので対処も早く出来るようになります。
暫く糠床を寝かせる前に足し糠をしないと水分が溜まってしまうことがあります。通常の糠床は耳たぶくらい、押し込んだ手の形がくっきり残るくらいの軟らかさですが、暫く寝かせる時はぽろぽろするくらい水分が少ない状態にしてから寝かせるようにすると良いですよ。
糠床の水分の処理方法 まとめ
あまり頻繁に糠漬けを作らないなら、きゅうりなど水分が多いものよりもにんじんやキャベツ、潰さなければミニトマトなんかでも水分が出にくいので管理がしやすいです。
便利なアイテムを使って手間を省くことで糠漬け作りが億劫になってしまうのを予防するのも一つの方法です。自分のスタイルに合う方法で取り入れると良いですね。
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