「そばがき」って、ご存知ですか?
手打ちのお蕎麦を出しているお店なんかだと時々メニューにもあるそばがき。
そばがきを食べたことがない人の為に、そばがきとはどういう食べ物なのか、食べ方や簡単な作り方を今回はご紹介します♪
そばがきとは?
そばがきとは蕎麦粉に熱湯を加えて練り餅状にしたものです。
麺のそばと違って茹でないので蕎麦の香りを強く感じることが出来ます。
麺のそばみたいに喉越しではなくて、そばの持つ蕎麦本来の風味が楽しめる食べ方です。
と、言うことは、そば粉の味がダイレクトにわかるのでそば粉の良し悪しで美味しさにもぐんと差が出ます。
見た目は一見すると「すいとん」みたいですが、それとは別物です。
蕎麦がきは昔からの食べ物で、現在の麺状の蕎麦が生まれる前からあったお蕎麦の原型です。蕎麦切りが普及するまでは当たり前の食べ方でした。
蕎麦がきはそば粉で作った団子といったものなので、蕎麦を打つ技術はいりません。むしろ子供でも簡単に作れるので蕎麦の産地では昔からおやつの定番だったりします。
また現在ではそばがきは酒のアテとしての食べられることが多いです。
そしてお蕎麦と言えば、大晦日に食べる年越しそばがありますよね。
年越しそばの由来や意味は諸説あるのですが(詳しくはこちらでご紹介しています)、その内の1つにはそばがきが由来となっているものもあります。
・金職人が作業中に落ちた金箔を取る為にそばがきを使って金を取ってきれいにしていた
→そばがきには金が集まる
→蕎麦を食べるとお金が集まる
となって、大晦日の験担ぎとして商売繁盛で金運が伸びますようにと蕎麦を食べるようになったという説です。
一般的には蕎麦麺の特徴である「細く長く」が由来として広まっていますが、そんな蕎麦には実は金運の意味も込められているんですよ^^
そばがきの作り方
ではその子供でも作れてしまうという蕎麦がき、作り方はと言うと、
—材料—
そば粉 50g
熱湯 50g
粉とお湯が1:1の量です。
—作り方—
ある程度深さと大きさのある器にそば粉を入れて、熱湯を注いですぐにすばやくかき混ぜます。
…完成!!
そば粉にお湯を入れて練る、以上です!
確かにこれなら子供だって作れますよね。
ちなみにそばがきは「蕎麦掻き」と書きます。
そば粉を棒などを使って掻き回し練り上げて作るからですね。
混ぜるものは木べらだったりお箸だったりすりこぎ棒だったりと使いやすいもの、あるものを使ってください。
またお湯はグツグツと沸騰しているお湯を使います。なので火傷に注意です。
熱湯だけでそば粉に火を通すのでそんなに大量には作らない方が良いです。あまり多いとお湯が冷めてしまいますからね。
鍋に水とそば粉を入れて火にかけながら練って作る方法もありますが、熱湯と混ぜるだけで作った方が蕎麦の香りが飛ばずによりおいしく出来上がります。
練る硬さは、好みでOKです。柔らかめの方が好きなら大福くらいにしたり、もうちょっと硬めが良いなら耳たぶくらいにしたり。
お湯の量を調整しながら好みの硬さで作ってください。
カスタードクリームやくず餅を練り上げて作る時みたいに結構力をいれて練り上げると滑らかで美味しい蕎麦掻きになります。この練りで美味しさが違ってくるのでお湯を入れたら素早く、しっかり練りましょう^^
蕎麦掻きはそば粉の味がそのまま美味しさに繋がるシンプルな食べ物なので、そば粉の良し悪しがとても重要なポイントになります。
挽きたてのそば粉を使うのが一番美味しいのですが、でもなかなか、そういうものは手に入れられないので出来るだけちゃんとした、おいしい蕎麦粉を選んでもらえたらと思います。
そばがきの食べ方
現在、蕎麦掻きはお酒の肴としてお店で出されていることが多いです。
わさび醤油や塩をつけて、これをつまみに冷酒を飲むというスタイルです。
磯辺巻きのように海苔で巻いてわさび醤油を付けたり刻みネギを一緒に巻いたり。
麺のお蕎麦と違って蕎麦掻きは伸びることがほぼないのでゆっくりお酒を飲みたい時にうってつけでもあります。
麺のお蕎麦同様に、そばつゆに山菜やネギ、かき揚げなどを入れてそこに蕎麦掻きを入れて食べる食べ方もあります。きつね蕎麦掻き、鴨南蛮蕎麦掻き、どれでもアリです。
また、蕎麦掻きはスイーツとして食べることも出来ます。
お餅みたいに砂糖醤油やきなこ、ごまみそを付けても良いですね。冬ならおしるこに入れても。人によってはお餅よりも蕎麦掻きの方がおいしくて好き!という人もいるくらいです。
柔らかめに練った蕎麦掻きであんこを包んで蕎麦掻き饅頭に、更にそれを揚げて揚げ蕎麦掻き饅頭にしても美味しいです。外はパリっと、中はモチッと♪
夏場なら白玉くらいの硬さに作った蕎麦掻きで冷やしぜんざいも出来ますよ。
串団子にして焼いてみたらし団子にしたり抹茶餡を付けたり。
と、お餅や白玉粉で作る和菓子に置き換えて使っても全く問題ありません。
工夫次第でどんな風にもアレンジ出来ますから、基本的な作り方も簡単ですしちょっとしたおやつに作ってみるのも良いですね^^
それにそば粉は栄養価が高いので普段のおやつを蕎麦掻きに置き換えるのはおすすめです。
でも味付けで砂糖をた~っぷり使ってしまっては元も子もないので、きな粉や黒蜜を使うなどして工夫すると良いですね。
蕎麦は高タンパク低カロリーでビタミンB群、必須アミノ酸も豊富です。
血管を強くしてくれて、動脈硬化の防止、ボケ防止に効果があるとされるポリフェノールの一種であるルチンも多く含んでいます。
コレステロールの低下を促す脂肪酸も含まれていますし、麺の蕎麦と違って茹でなくて良いのでこれらの栄養分をまるっと摂ることが出来るのも蕎麦掻きの良いところです。
いつもの蕎麦だけどたまにはちょっと違った形で味わってみる。
ぜひ試してみてください♪
【こちらの記事も一緒にいかがですか?】
→ 年越しそばはいつ食べるのが正しい?時間と食べる理由、由来と意味。