2017年の中秋の名月は10月4日です。
十五夜と中秋の名月、これって同じもの?何が違うの?
十五夜って9月に満月を愛でる日じゃないの?
そもそも十五夜って、何?
十五夜と中秋の名月は同じ?
旧暦の時代では秋は7月8月9月の3ヶ月間を指しました。
そしてこの3ヶ月のど真ん中である8月15日を「中秋」と言いました。
秋の真ん中、そのまんまですね。
そして旧暦8月15日の月は「中秋の名月」と言います。
「仲秋」と「中秋」、2つの書き方がありますが、
仲秋は旧暦の8月その月まるごとを指していて、
中秋は旧暦8月の中の15日、8月15日を限定的に指して言います。
なので8月15日の月が「中秋の名月」となります。
そして中秋の名月は「十五夜」でもあるのですが、
しかし十五夜は旧暦8月15日のことだけを指すのかというとそうではなくて
十五夜とは旧暦で毎月15日のことを指します。
中秋の日の夜の澄んだ秋空に昇る丸い月は
やがて中秋の名月と呼ばれるようになり、
そしてこれを観賞する風習が生まれました。
そしてその頃が収穫の時期にあたるため
豊作祈願や収穫感謝の意味も相まって
この時期に月を愛でるようになりました。
つまりお月見は、月を観賞して楽しむ習慣と
神様への豊作祈願や収穫感謝の儀式が合わさったものなんですね。
収穫感謝の儀式なのでその時期に穫れた野菜や花をお供えします。
秋ですから芋が沢山収穫出来、十五夜には
里芋などの芋類を供えることから「芋名月」とも言います。
里芋は後にお団子に変わり今では月見団子が主流になっていますが
地域によっては今でも里芋をお供えするところもあります。
十五夜は満月とは限らない?
「十五夜」と言うと「満月」だと思いがちですが、
十五夜が必ずしも満月とは限りません。
また、十五夜と言うと9月15日限定
と思っている人もいますが、それも違います。
まずはじめに、2017年の十五夜は10月4日です。
昔は月の満ち欠けをもとに日にちを決め、
太陽の動きをもとに年の境を決めていました。
新月(朔)の瞬間を含む日が「1日」となるので
2017年は新月の瞬間を含む9月20日が旧暦の8月1日、
それから15日目の10月4日が旧暦の8月15日となる訳です。
十五夜とは旧暦で毎月15日の夜と月のことを指すもので
なので旧暦では十五夜は年に12回か13回あることになります。
満月も、新月から15日後が必ず満月という訳ではありません。
月の公転軌道が完全な円形ではなく楕円形である為に
地球上で満月に見える日までには多少のズレが生じます。
なので2017年の旧暦8月15日、中秋の名月は10月4日だけど
満月になるのは2日遅れの10月6日になります。
中秋の名月は旧暦8月15日の夜に見える月のことを指していて、
でもそれは必ず満月とは限らない、ということなんですね。
ややこしいですね…
解りやすくさっくりまとめると、
・「十五夜」は旧暦で毎月15日の夜のこと
・中秋の名月は旧暦8月15日のことで、
この日は十五夜でもあり、2017年は10月4日が該当
・そして満月は10月6日
ということです。
十五夜に月見をする由来は?
十五夜とは旧暦8月15日限定ではなく年に12、3回あるものですが、
では何故旧暦8月、9月の満月を取り立てて注目するようになったのでしょうか。
古来より旧暦8月頃は月を見るのに最も良い時節とされていました。
その頃の月がもっとも綺麗で見やすく一番美しく見えます。
中秋の名月がきれいなのは、この時期は空気が澄んでいることが多くて
月光が地上に届きやすく明るい月を見ることが出来るからです。
春と秋は月が丁度見やすい高さになり気候も良いのですが、
春は空気中の塵や花粉などが多くて「おぼろ月夜」になります。
夏の月は位置が低いため地表付近の明かりに邪魔されたり
空気中の水蒸気の量が多いので月はぼんやり見えます。
秋は空気が乾いてくるため月はくっきり見えるようになります。
それなら乾燥している冬が一番きれいなんじゃないの?と思うかもしれません。
確かに冬の夜空の月もきれいですが、
お月見に適しているかと言うとそうではないですよね。
冬の月は位置が高いのでずっと見上げているのが大変ですし、
なにしろ冬ですから、寒いです。寒空の下での観月は長く居られません。
これらを総合的に見て、
月がきれいに見えて且つ外で月を眺めるのに適した気候である秋が
お月見には最適な時期となった、ということです。
十五夜は満月とは限らない? まとめ
ちょっとしんみりした雰囲気を持つ秋、
その夜にきれいな満月を眺める。
物静かな中をしみじみ、ひとり物思いに耽って。
風情を愉しむのもまた一興ではないでしょうか。
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