百合根って何?と聞かれたら読んで字の如く百合の根っこと思う人が殆どではないでしょうか。
でも実際は鬼ゆり、小鬼ゆりなどの、鱗茎(りんけい)と呼ばれる地下茎の一種です。
玉ねぎやらっきょうと同じと言えばきっと想像しやすいですね。
地下茎は短い茎にたくさんの葉、鱗片が重なっているものです。
言われてみれば玉ねぎもらっきょうも、1枚1枚重なって出来ていますね。
でも土の中で育つので、ゆり根は根菜に分類されています。
今回はそんな、ちょっと複雑な事情持ち?のゆり根の旬や見分け方についてご紹介します。
ゆり根の旬
ゆり根の旬は冬で最盛期は11月~12月です。
日本における百合根の生産地は、なんと北海道が98%を占めています。
他だと京都の丹波産が知られています。
北海道産は10月頃から収穫され年末が収穫の最盛期で、京都は8月頃から秋にかけて収穫されます。
ゆり根はでんぷん質を糖分に変える為に収穫してから2~3ヶ月寝かせた方が甘味が増します。
縁起が良く正月料理に使われることが多いので、需要も出荷のピークも12月になります。
ゆり根は花のように鱗茎がいくつも重なった形をしてるので「年を重ねる」という意味からおせち料理に入れられるようになりました。
また鱗茎の重なり合う形が和合(わごう)、打ち解けて仲良くなることに通じるとされて吉祥の象徴となっています。なんとも、日本人らしい考え方ですね。
ピークがこのお正月なので、お正月が過ぎると需要も値段も下がります。好きな人はここがる狙い目ですね。味が落ちるということはないのでおすすめです。
ゆり根を植えると百合の花を咲かせることが出来ます。が、そこから食べられるゆり根を育てようとすると3年以上かかってしまいます。
自家栽培で百合根を食べるには手間と時間がかかるのでその場合は買ってしまった方がお得ですね。もし百合根をたくさん入手したなら、食べる分と観賞用と分けて楽しんでも良いかもしれません。
気を付けたいのは、観賞用として一般的に売られている百合には毒性があるのでそれは間違っても食べないように注意しましょう。
おいしいゆり根の選び方
ゆり根はぷっくりと太っていて全体に色が白く、鱗片が1枚ずつしっかり重なり合って硬く締まっているものがおいしいゆり根です。
傷や黒ずみのないものを選びましょう。全体的に紫色っぽいものは苦みが強い場合があるので避けた方が良いです。
店頭で売られている百合根が、もこもこの白い物体の中に埋もれて売られているのを見たことがある人もいると思います。あのもこもこは何かと言うと「おがくず」です。
ゆり根は傷が付きやすいので、ゆり根同士が擦れて傷付かないように、そして保湿効果もあるのでおがくずの中に入れて輸送されることが多いです。
なので店頭でももこもこのおがくずに入った状態でゆり根が売られていることもあります。
鱗片をバラバラにして詰めて売られているものもありますが丸ごとの方が新鮮なので出来れば丸のままのゆり根を買う方がおすすめです。
食用として栽培されているものの内95%は苦味の少ない小鬼ゆりで、残りの5%は鬼ゆりや苦みのない山ゆりです。
食用ではない百合の球根には毒性があるので、山で百合を見かけたからと言って安易に採って食べることはしないでおきましょうね。
消費は関西、特に京都が圧倒的に多くて京懐石料理に良く使われています。
なんとなくゆり根には上品なイメージがあるのですが、それはもしかしたらそのせいかも知れません。
ゆり根の効用
百合根は成分のほとんどが糖質で主にでんぷんです。
根菜類の中ではタンパク質も多くじゃが芋の2倍あるのですが、タンパク質が多く含まれていることで滋養強壮に良いとされます。
ビタミン類は少ないですが加熱してもほとんど減少しません。
ビタミンは加熱されると破壊されるから野菜は生で食べると良いなどと言いますよね。百合根はそれに当てはまらないのが嬉しいですね。
食物繊維もあり消化に良い食べ物です。
食物繊維は腸を刺激して腸内にたまった有害物質を体外へと排出させる働きがあるので整腸作用があり便秘の人は進んで食べたい食材のひとつです。
カリウムはミネラルの一種で、体内の塩分調整をしてくれるものですが、このカリウムも多く含んでいて塩分の摂りすぎによる血圧の上昇を抑えてくれます。 余分な塩分を排出する手助けをしてくれるので利尿作用もあります。
また百合根は栄養豊富で薬効もあるので昔から漢方薬として使われてきました。リラックス効果 があるのでイライラして眠れない時などに神経を鎮める効果があります。
他にも滋養強壮、咳止めなどの薬用として古くから食されています。
ゆり根の旬や効用 まとめ
栄養豊富で縁起物とされるゆり根。
冬の時期にしか出てきませんから上手に料理の中に取り入れて頂きたいですね♪
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