シュトレンを幾つか買って食べてみたけどなかなか自分の好みのものに出会えない…
それなら自分で作ってしまうのもアリですよね。
シュトレン作りは相当手間暇がかかりますが、自分で作ったシュトレンでクリスマスのカウントダウンをするのもまたクリスマスの楽しみになります。
レシピは本やサイトなど検索すればごまんと出てきます。
その中で自分に合ったものを選んでもらえば良いなと思うので、わたしの方ではシュトレンを作る際の要所要所でのコツ、ポイントをご紹介していきます♪
シュトレンの形や中身の違い
シュトーレンのレシピは探せばたくさんありますが、タイプ別で紹介のあるこちらのものがおすすめです。基本から本格的なものまで選べるのが良いですね。
レシピを探していると、高さのあるシュトレンと平べったいシュトレンとがあって疑問に思うかもしれませんね。
どちらが本来のシュトレンかと言うと、どちらかと言えば平たいものが一般的です。
シュトレンのあの平たい形はキリストが誕生した際におくるみにくるまれているのをあらわしていると言われたり、一方高さのある形だと坑道、トンネルから来ているとも言われています。
でも本場ドイツでも地域や家庭で形にも違いがありますからあまりこだわる必要はないです。
さて、あの高さを出したい時は「マジパン」というものを使うと高さを出しやすいです。
マジパン?マジなパン…?本格的なパンのこと?何かパンの略?
この人何言ってんの?
って、思いました?
わたしは思いました(笑
マジパンはマルチパンとも言って、砂糖とアーモンドを挽いて練りあわせた餡のような食感のあるお菓子のことです。スペインやドイツなどが名物の洋菓子です。
マジパンアーティストのSayaさんという方のブログがあるのですが(こちら)、これを見てもらうとマジパンとはどんなものか、想像しやすくなると思います。
マジパンの材料はアーモンドプードルと砂糖、卵白、アーモンドでこれを混ぜて練ります。マジパンペーストも売っていますしもちろん自分でも作れます。
作業を短縮したい場合は市販のものを使うと良いですね。
もちろんマジパンを使わなくてもシュトレンは作れますから好みで決めても良いでしょう。
ちなみにドイツではマジパンを使ったものや混ぜ込むナッツの種類によってシュトレンの名称が変わってきたりもします。
ドイツで作られる主なバリエーション
- マンデルシュトレン(Mandelstollen):アーモンドパウダーなどを練りこんだもの
- マルジパン / ペルシパンシュトレン(Marzipanstollen / Persipanstollen):マジパン、もしくはペルシパンを練りこんだもの
- モーンシュトレン(Mohnstollen):ケシの実を練りこんだもの
- ヌッスシュトレン(Nussstollen):各種ナッツを練りこんだもの
- ブターシュトレン(Butterstollen):外側にバター、中にレーズン・アーモンド・ドライフルーツを練りこんだもの
- クワルクシュトレン(Quarkstollen):クワルクチーズ、フレッシュチーズなどのチーズ製品を練りこんだもの
オランダのシュトレンはほぼ全てが一種のマルジパンシュトレンである。
wikipediaより
自分の好みで中身を変えてみるのも良いですね。
[quads id=1]シュトレンの作り方のコツ、注意点
実際にシュトーレンを作り始めると、その砂糖やバターの多さにたじろぐかもしれません。だからと言って自己判断で量を減らすのは禁物です。
その量があってこその美味しいシュトレンですから、そこは覚悟を決めてレシピ通りの分量を使ってくださいね。
では要所ごとの注意点、コツをご紹介します。
■ドライフルーツの注意点
まず混ぜ込むドライフルーツですが、本来ならラム酒に漬け込んだものを混ぜ込みます。
市販のドライフルーツを使って洋酒に漬け込む場合、そのままお酒に入れてもフルーツの中にお酒があまり染み込んでくれません。
ドライフルーツ同士が糖分でくっつかないようにオイルでコーティングされているものが多いので、漬け込む前にお湯でさっと油を流しましょう。
ボウルにドライフルーツを入れたらお湯を注いで軽く混ぜて、1分ほどたったらザルにあげます。
冷めたらキッチンペーパーや布巾でしっかり水気を切りましょう。
そうしたらラム酒に漬け込んで生地に混ぜ込むまで待機です。
伝統的なシュトレンだと何ヶ月も前からレーズンをラム酒に漬け込んで準備をはじめますが、実はそれだとフルーツが柔らかくなって潰れやすくなってしまう場合があります。
フルーツの形や食感をしっかり出すには前日に漬け込んでも全く問題なしです。
一度に数本分のシュトレンを作る場合、生地を混ぜ込む段階で混ぜ込むと切り口がうまくふさがってくれなくてきれいな形に生地をまとめるのがちょっと難しいです。
どちらも美味しさの点では変わりはないですが、生地を切り分けてから具を混ぜた方がきれいに仕上がるのでおすすめです。
生地に混ぜ込むときには軽く握って余分なお酒を絞ってから使います。
水気を絞っておかないとベチャベチャして生地が汚く扱いにくくなるので気を付けてください。
ちなみに、レーズンは苦手という人もいますよね。
なにもレーズンを絶対に入れないといけない訳ではないですから、その場合は他のものを使って焼きましょう。
ドライチェリー、カシス、アンズ、プルーン、リンゴ、パイナップル、マンゴー、パパイヤ、イチジクなどドライフルーツもたくさんありますから好きなものを選ぶと良いですね。ドライジンジャーをちょこっと入れるのも個性的で良いかもしれませんね。
■バターの注意点
生地に混ぜ込む生地用のバターを常温に戻す時、湯せんでも電子レンジでもどちらで戻しても大丈夫です。
ただ、溶けすぎはダメなので、特に電子レンジで戻す場合は目を離さないように気を付けてください。
ちょっと目を離していた隙に一気に溶けて爆ぜていた、なんてこと、よくあります。(…わたしだけ!?)
10秒単位で確認しながらレンジにかけると溶けすぎの防止になりますよ。
仕上げ用のバターは完全に溶かしてOKです。
■生地を混ぜる、こねる時の注意点
材料は一度に全部は入れません。
少しずつ加えて馴染ませ馴染ませを繰り返しながら生地を作っていきます。
混ぜている途中、こんなにベチャついててほんとに大丈夫なの!?と心配になると思います。思わず打ち粉をしたくなるくらい。
ですがそこはぐっと堪えてください。小麦粉はこねるとグルテンが出来て生地にまとまりが出ますから我慢我慢でこね続けます。
生地を半分に切って重ねてこねる、を何度か繰り返すとベチャつきを早くなくせます。
もし10分、15分もこねているのにベチャベチャなままだったら、それは牛乳が多すぎている可能性が高いので、その時は様子を見ながら粉を足しましょう。
■焼く時と焼き上がりの注意点
焼き時間や温度は使用オーブンによってかなり違います。
レシピの温度や時間の記載をもとに、でも都度様子を見ながら加減して焼きましょう。
焼きあがったら仕上げを手際よく行いたいので、焼いている間に溶かしバターやケーキクーラーなどの準備を整えておきましょう。
焼き上がりにバターを塗る際、そのままバターを生地に塗るレシピも多いですが、バターの前にまずラム酒を塗るのが個人的にはおすすめです。より大人向けのリッチな味わいになりますよ。
熱々のところにまずハケでラム酒を全体に染み込ませてその後すぐに溶かしバターも塗ります。
パン屋さんなんかだと溶かしバターの中に生地をドボンと沈めてコーティングさせますが、家庭だとさすがにそこまでは出来ないですよね。そんなに大量に作りませんし。
ちょっと大変ではありますがハケでさくさくっと塗ってバターを染み込ませましょう。
ちなみにバターの量が多いほど保存性が増しますよ。
粉糖は生地が完全に冷めてからまぶします。
熱のあるところに砂糖をつけても溶けてしまってあの白い雪化粧の姿には当然なってくれませんね。
翌日に完全に冷めて落ち着いたところや、或いは食べる直前に粉砂糖をふりかけてもOKです。
■保存の際の注意点
美味しそうに焼け上がったら、食べたくなりますよね~
ちょっと味見、なんてしてみたくなると思います。
ですが、シュトレンは焼いてすぐのものはそこまで美味しくないです。
出来立てはほかほかでそれはそれでおいしくはありますが、まだドライフルーツやスパイスの味が生地にちゃんと馴染んでいないし塗ったラム酒もキツイし砂糖もただ甘いだけです。
むしろ個々の味わいが尖って主張し合っているので味のバランスが悪く一体感がありません。それを寝かせることで、味を生地に馴染ませ落ち着かせて全体にまとまりが出てきます。
シュトレンの本場ドイツでは11月に入ったらシュトレンを作り、12月に入ったら4週間かけてゆっくり食べていくというのが伝統です。
ということは、シュトレンは完成して1ヵ月以上してから食べるということなんですね。寝かせて熟成させることがシュトレンにはいかに大事かがわかりますね。
さてその焼きあがったシュトレンですが、粗熱が取れたらラップをぴっちり巻くというレシピもありますが、個人的には一晩バットに入れたままラップを被せて冷まして置くことをおすすめします。
表面を触って冷めたと思っても、意外と中はまだほかほかしていることが良くあります。その状態でラップをぴったりと巻いてしまうと湯気でしっとりしすぎてしまいます。
シュトレンは水分を極力減らすことで保存性を高めてもいますので、余分な水分は留めないよう、中まで完全に冷めるまではぴったりとラップは巻かずに置くのがおすすめです。
翌日になったら粉糖をたっぷりと振りかけます。
粉糖をふりかけたらラップをぴっちりと巻きますが、この時粉糖が少ないと湿気で溶けて白さが消えていってしまうので、これでもか!ってくらい厚く振りかけてOKです。
こんなに↓厚いものもありますからね!
冷暗所で1週間ほど寝かせたら完成です。
待ち遠しいですが最低でも3日は寝かせましょう。
シュトレンの作り方のコツ まとめ
今回はシュトレンを作る際に気をつけるポイントをご紹介しました。
シュトレンは日本人に馴染みのあるふんわり柔らかなパンの食感ではありません。
しっとりとしていて重みのある食感が特徴で、それがシュトレンのおいしさです。
ゆっくり噛むほど広がっていく美味しさと、日が経つごとに徐々に変わっていく風味を楽しみながら食べ進めてくださいね♪
シュトレンについてはこちらでも☆
→ シュトーレンの食べ方、保存方法とアレンジ方法。
→ シュトーレンとは?シュトーレンの意味と日本のシュトーレン。
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