池袋で行われている再開発。
「劇場都市」を目標とし様々な施設が創られているのですが、その中の1つであるHareza池袋の東京建物Brillia HALLへ舞台を観に行ってきました♪
大田楽って何?読み方から意味まで。
東京建物Brillia HALLのこけら落としイベントとの1つとして上演されたのが「大田楽 いけぶくろ絵巻」。
大田楽ってまず読み方がわからなかったのですが^^;
大田楽はだいでんがくと読みます。だいでんらく、ではないのですね~
で、読み方がわかったところで、肝心の大田楽とはなんぞや?^^;さっぱり想像できなかったのでちょっと調べてみました。
言葉の構成について言うと、「大田楽」は元々ある「田楽」という言葉に「大」を付けて呼んでいるものです。なので大田楽を知るには田楽から見ていく必要があります。
田楽(でんがく)は日本の芸能の1つで、田植えやお祭りの時に太鼓に合わせて田んぼで舞ったり踊ったりしていた、その踊りのことです。田楽舞いや田楽踊りとも言われていたものです。
なので実際に観劇していると、この動きは田植えっぽいなとか稲刈りの動作かな?という、農耕の動きも見て取れます。
田楽は大きく2つに分けられて、
2、高足に乗り刀剣を操るなどの曲芸を主とした田楽踊
2、の田楽踊りをする人、田楽を演じることを専門の仕事とした芸人のことを田楽法師(でんがくほうし)と呼びます。
田楽は平安時代から室町時代にかけて日本中で大流行したものの、猿楽人気に押されて現代では衰退してしまっている民俗芸能です。
そんな田楽を「大田楽」という形にしたのが狂言師八世野村万蔵(五世野村万之丞:1959-2004)。田楽を元に八世野村万蔵と舞踏家、音楽家、俳優、学者らが協働作業で創り上げたのが「大田楽」なんですね。
今回の「大田楽いけぶくろ絵巻」では九世野村万蔵が池袋を舞台に新たに演出を手掛けた作品となっています。
伝統芸能の世界には疎いもので世襲とか、名前を受け継いでいくから誰がなんだか全然わかっていないのですが^^;現在の野村萬斎の名前だけはよく聞くので彼の顔だけは浮かぶ…。
ということで、簡単に言うなら田楽を狂言師がアレンジしたものが大田楽、ってことになるのかなと思います。めっちゃザックリしてますが。笑
味噌の田楽との関係は?
ちなみに、田楽と聞くと食べ物を想像する人もいますよね?味噌田楽とか田楽おでんとかナスの田楽とか♪
事実、この踊りの田楽と食べ物の田楽には関連性があって、田楽法師の姿が豆腐の串焼きのそれと似ていたことが由来と言われています。
田楽法師は白い袴に色のついた上着を羽織った格好をし、一本足の竹馬のような高足に乗って踊ったりする芸もありました。
その踊り姿と、白い豆腐に色のついた味噌をつけて食べる串焼きが同じ画に見えたんですね。
そうして味噌のついた豆腐の串焼きを田楽豆腐とか田楽と呼ぶようになって現在に至るという訳です。今度から田楽料理を注文する時は舞台で踊っていた田楽法師の姿が浮かびそうです私。笑
大田楽いけぶくろ絵巻の内容はこんな感じ。
そんな大田楽を九世野村万蔵が池袋を舞台に新たに演出したという今回の演目。
九世野村万蔵は豊島区出身の人なんですね!だから今回の演舞の総演出を手掛けたのかな^^?
「100名を超える田楽法師たちが古の旋律に乗って軽やかに舞い躍る」のが今回の大田楽いけぶくろ絵巻ということなのですが、案内のチラシに「踊り:わざおぎ、区民参加、ACT.JT会員、コスプレイヤー」ってなってて。
コスプレイヤー!?踊りの専門とかじゃなくてコスプレイヤーが田楽法師の格好して踊るってこと!?それで良いのか!?とレイヤー参加なところが池袋らしくて良いなと思いました。笑
しかしこの予想はある意味正しく裏切られることに…!
今回は撮影OKだったので実際の様子を載せていきますが、イメージCMがあったので参考までこちらも載せておきます♪
上演が始まるり緞帳が上がると舞台にはモニター画面が。そこに映し出されたのは、今まさにこの舞台に上がるためにブリリアホールの1F入口に向かう演者たちの姿。
↑この様子に会場からは笑いが起こっておりました。衣装と現代技術とのミスマッチ感が面白いよね。楽しい演出だと思います♪
先頭の赤い衣装は王舞:野村万之丞、続く白い衣装は田主:野村万蔵。
で、1F入口から客席横の通路を通って野村万之丞を筆頭に田楽法師御一行の入場です。
え、舞台にモニター使うの?と思ったんですが、席が遠くてよく見えない人への配慮もあってなのかな?年齢層高いし?
でも背景に映像を駆使していて、今風の演出になっていてそこは良いなと感じました。
プレステージでも踊っていた田楽法師たち40名強が一斉に踊ります♪
モニター画面があるとどうしてもそっちを見がちで個人的にはあんまり好きじゃないんですよね…なのでなるべく生の演者を見るようにしていました。
あと、演者もだけど楽器経験のある身としてはお囃子もかなり注目!
舞台の真ん中にシースルーの幕が下ろされてステージを分断。右奥にいるお囃子たちはステージの後ろ側、獅子の舞はステージ手前で行われています。
で、このシースルーの幕に映像を流して躍動感をUPさせる演出がなされていました!なるほどね~!と眺める私。笑
そして田楽法師一行の長役、田主:野村万蔵の登場。
この奏上の間、モニターに神秘的な雰囲気の映像や↑写真の池袋の夜景を映し出していたり。格好良い雰囲気に!
詠み上げている詞をごく僅かですが解ったとこだけメモしておきます…違うところもあるかもですが。そして飛び飛び^^;
「…
その昔 染井吉野より…豊島の里に
…
いにしへより池袋と申ししなり
…
池袋文化 燃え出ずる都となる
…
いざ共に踊り狂はん
…」
豊島区って桜のソメイヨシノ発祥の地なんですよね!前に区役所に行った時に由来について書かれた掲示物があってちらっと記憶にあったので、あぁ豊島区のはじまりから今へ繋がることを詠んでいるのかな?と思って聞いていました。
途中、幼稚園くらい?の小さい子たちが紙吹雪を散らす場面があったんですが、お年寄りって小さい子が出てくるとそれだけで笑いますよね。微笑む、という意味の笑い。孫みたいで可愛らしくて嬉しいものなんでしょうかね~やっぱり。
で!?
突如始まったコスプレショータイム!!
初めの人は和装コスだった為「何何?どういう演出?」と思ったのですが、もう↑この服になったら明らか「これはレイヤーショーか!!」と。w
ショーに続いてダンスも披露!
まさか本当に本当のコスプレイヤーが出てくるとは思ってもいなかったからかなり衝撃的で!そういう意味での「踊り:コスプレイヤー」やったんか!と伏線回収。笑 会場も一気に和やかな雰囲気に。
そしてですね、どれも全然知らないコスプレだったもので真偽が分からないのですが、恐らくそのアニソンをお囃子のみなさんがきっちり和楽器で演奏してるんですよね!合っているようで合っていない音色のそのギャップがまたw
いや~この場面は盛り上がってましたね。笑 レイヤーさんたちもみなさん、とっても楽しそうでした♪池袋ならではの池袋らしい演出でとても良かったです^
で、場面は大田楽に戻りまして、珍しい顔の獅子舞が登場。
そして再び田楽法師たちが登場。
踊り手が会場通路にも下りて来て賑やかに踊ります。モニターには花火も上がっております。
なんか、ちょっと早いけど紅白歌合戦見てるみたいな気分になれました。笑
そして田主が再登場し、
大田楽いけぶくろ絵巻、終演でございます~!パチパチパチパチ!
こんな感じで。
ちょっとは雰囲気が伝わりましたでしょうか…!?^^;
民俗民芸にそこまで馴染みがなかったのですが、終わってみればとても楽しい舞台でした♪
ブリリアホールを出てパークプラザをふと見下ろしたら、
さっきのスパイダーマンおるし!!w
半分そのままで帰るのねアナタ!!笑
ハレザ池袋を繋ぐ空中通路は夜はキレイに浮かんで見えます。
あれ、東京タワー!?と思ったあなた。
ちょっと待って、ここは池袋。平地から東京タワーなんて見えませんw
これは東京電子専門学校の屋上に立っている塔です。電波塔なのかな?一瞬だけ六本木に居る気分になれますよ。笑
ということで、劇場都市を目指して都市開発が進む池袋より、ハレザ池袋の東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)での舞台「大田楽いけぶくろ絵巻」の様子をご紹介しました♪
ハレザ池袋って、そもそも何?という人はこちらを
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